話の始めに、「今日から2月ですね、早いですね」の一言をよく聴いた一日。
確かに。。。
でも、お正月が随分昔のことのように感じる、ということは、それなりに充実したひと月だったのかもしれない。
《歳をとると一年が早く感じる。》というのは、よく聴く話。
子供の頃は、毎日新しい事に出会えて、わくわく…ワクワク。
印象的な出来事もたくさんで、一日がとても濃密で、長い。
歳をとると、毎日が同じように過ぎていく。
あれは、昨日のことだったのか…、一昨日のことだったか…、それさえも分からないほどに。
そんな日々は、毎日が穏やかに過ぎている、ということでもあるのだけれど、
記憶に残る出来事は少ない、ということでもあって、スタンプで押したように同じで、
あっという間に一日は過ぎていく。
私は3年日記をつけている。
3年前。。。おしゃれな文房具屋さんで、何故か目にとまって買った。
それまで、日記なんてつけたこともないのに。
日記は不思議と続いた。
毎日開けば、去年の私、一昨年の私がわかる。
その3年日記と一緒に、スケジュール帳も開いてみるというのが日課になっている。
今の私には、スケジュールなんてものはめったいないので、予定を書き込むというより、
365日のそれぞれの一日に、過去数年分の記憶(出来事)が書き込まれていて、
それを見るのがたのしいのである。
2月の今日の日付を見ると、3年前の今日、母の入院と書き込んであった。
そうだった。今日だった。
断片的な想い出が蘇る。
新しい月に変わるときの楽しみは、カレンダーをめくること。
私のお気に入りのカレンダーは、毎年サントリーから頂くサントリー美術館の名作コレクション。
今月は、『紫色梅形皿』。
美しいガラス製のお皿を、梅の花のようなピンクの背景が更に美しく引き立たせている写真。
今月はこの美しい画像を見ながらひと月を過ごす。
3年前の今日は、バタバタと母を迎えに行き、病院に連れて行ったりして、
カレンダーもめくる余裕もなかっただろう。
もしかしたら、数日めくられることもなく1月のままだったかもしれない。
「早いね、早いね💦」と言いながら、穏やかにカレンダーをめくれた一日は、
間違いなく、小さなしあわせであると思う。
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