こんにちは!
今日は、現在制作中のシュバルム刺繍の【リングピローの図案】についてお話しします。
シュバルム刺繍のリングピローのモチーフに込めた思い。。。
今回、結婚式に使うリングピローをシュバルム刺繍で作ろうと考えたのは、
それぞれのモチーフに特別な意味が込められているからです。
シュバルム刺繍の伝統的なモチーフの深い象徴性と意味、
そして私がデザインに取り入れたモチーフと、その意味について、ご紹介したいと思います。
(どれも古い本ですが、手に入れることができましたらとても役に立つ本たちです。参考までに。。。)
ハート
愛と喜びを象徴するハートは、リングピローに欠かせないモチーフです。
二人の愛が永遠に続くことを願い、刺繍に取り入れました。
チューリップ
チューリップは、希望や新しい始まりを象徴しています。
結婚生活の新しい章を祝福するための象徴として、デザインに組み込みました。
鳥
鳥は、自由や平和を表します。
二人が共に自由で調和のある関係を築いていけるよう、との願いを込めています。
木や葉っぱ
木や葉は、成長や繁栄のシンボルです。
夫婦の絆がしっかり根付いて成長し、大きな幸せをもたらすことを願っています。
丸い花、ハートの花
丸い形の花やハート型の花は、永遠や完全性を象徴します。
二人の絆が円満で幸せなものであるように、との思いを込めました。
クルッと右巻きの茎
右に巻いた茎は、動きや前進を表します。
新しい人生を前向きに進んでいく象徴として取り入れました。
ステッチ・制作のポイント
シュバルム刺繍は、伝統的な技法である「ドローンワーク(Drawn Work)」や「プルワーク(Pulled Thread Work)」を用いて、モチーフに立体感や繊細な透かし模様を浮き出していきます。
「ドローンワーク」は
布の経糸・緯糸を部分的に抜き、そのスペースに刺繍を施して透かし模様を作る技法です。
これにより、レースのような軽やかさと奥行きのある装飾が生まれます。
一方、「プルワーク」は
糸を引き締めることで生地に模様を作る技法で、
より繊細な幾何学模様や装飾的な表現が可能になります。
また、モチーフの輪郭や装飾として
コーラルステッチ(Coral Stitch) や チェーンステッチ(Chain Stitch) もよく使用されます。
コーラルステッチ は、小さな結び目を連続して作る刺繍技法で、
ロープ状の立体感を出し、モチーフの輪郭をくっきりと際立たせるのに適しています。
特にハートや花の縁取りに用いることで、デザイン全体を引き締める効果があります。
チェーンステッチ も同様に、
太めの輪郭線を作るのに適したステッチで、柔らかく装飾的な印象を加えることができます。
ハートのまわりに コーラルステッチ や チェーンステッチ を施すことで、
デザインにメリハリを与え、モチーフを際立たせています。
さらに、これらのステッチには装飾的な役割だけでなく、
抜いた織り糸からのほつれを防ぐ という実用的な側面もあります。
シュバルム刺繍ではドローンワークによって織り糸を抜くため、その部分の生地が不安定になりがちですが、
輪郭をしっかりとステッチで押さえることで耐久性を高めることができます。
加えて、後から刺す フィリングステッチ(Fillings) の糸始末を裏で効率的に行うための土台にもなるため、
仕上がりをより美しくするためにも重要な役割を果たします。
リングピローのデザインでは、
中央にハートのモチーフを配置し、その周囲に他のモチーフをバランスよく配置することで、
デザイン全体を調和させました。
また、モチーフごとに異なるステッチ(サテンステッチ、バックステッチ、ボタンホールステッチなど)を組み合わせることで、立体感と繊細さを際立たせています。
図案制作の資料
今回のデザインを考える上で、Luzine Happel著『Schwalm Band with Traditional Motifs: Line Drawings in Two Sizes』がとても参考になりました。
この本には、シュバルム刺繍の伝統的なモチーフが二種類のサイズで線画として収録されており、
デザインのインスピレーションを得ることができました。
この本は、刺繍関連の商品を扱う【洋雑誌のマガジンマートMag-Martマグマートさん】で購入しました。
充実したラインナップと丁寧な対応で、白糸刺繍を愛する方にはぜひおすすめしたいお店です。
結婚式という特別な日のために、一針一針心を込めて制作しているこのリングピロー。
刺繍に込められたモチーフの意味を知ると、より深くその魅力を感じていただけるのではないでしょうか。
完成までの道のりを、少しずつブログに投稿していきますので、どうぞお楽しみに
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!
(洋書もありますが、どこかで見つけることができたら。。。参考になるオススメの本たちです。。。)
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